■安定性ー基礎を作る
スタティックホールド(静的保持)を用いたトレーニングは、漸進的なS&Cプログラムにおいて
有益な役割を果たします。
静的姿勢を安定させることができない選手を、動的姿勢のトレーニングに漸進させると、
動作機能不全を引き起こし、受傷リスクをもたらしかねません。
そのため、野球選手向けのあらゆるS&Cプログラムでは、
初期段階において静的姿勢の安定性を、特に骨盤、脊柱、および肩甲骨のコントロールに重点を置いて評価する必要があります。
野球選手は、これら3つの構造が組み合わさって、投球動作や打撃動作を形成しています。
複合的なS&Cプログラムは、これら3つの構造(骨盤、脊柱、肩甲骨)を支える筋群に重点を置いた、
エクササイズが実施されます。
野球では、身体の3平面(前額面、矢状面、水平面)すべてで動作を行わなければならないため、
関節運動およびローカル筋群の柔軟性について、より高度な適応と向上が求められます。
複数のエクササイズをうまく組み合わせ、一つの関節または身体部位を安定さながら、
同時に別の関節または身体部位を動かすことで、
神経筋コンディショニングの改善とローカル筋の筋力向上の促進を同時に行うトレーニングが重要になります。
上記3つの主要構造を用いるトレーニングは、リハビリテーションの現場では広く行われていますが、
健康レベルの高いアスリートにも有益なものであり、
オフシーズン期、およびプレシーズン期の固有感覚のウォームアップとして、
またワークアウト後のエクササイズとして利用できます。
さらに、これらエクササイズは修正して試合期にも適用可能です。
筋組織の損傷を最小限に抑えつつ筋力を維持するバリエーションとして
これらのエクササイズを活用できますが、そのような場合、
負荷や筋の総収縮回数を調整し、総仕事量を削減することで安全に実施するこができます。
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