■固有感覚 VS 爆発力
静的な安定性の優れた基礎が構築されていると、動作の必要性が生じた場合に、
固有感覚、すなわち動作を伴う関節安定性の作用によって、
より素早く効率的な反応が調整されます。
固有感覚を向上させることで、関節とその支持構造の過少活用または過剰代償を防止できます。
バイオメカニクス的な効率は、傷害予防に約立つだけでなく、
筋力向上、パワー発揮、およびスピード向上を最大限に引き出す重要な前駆としての役割も果たします。
スタビリティボールを用いたトレーニン種目は、体幹の安定性を向上させ得るが、
身体パフォーマンスの向上には直接結びつかない可能性があることが、Stantonらによって明らかにされています。
スタビリティボールを用いた様々なトレーニング種目は、それぞれを単独で実施しても、
1塁への到達速度の向上という望ましい結果にはつながりません。
ただし、臀筋群を刺激する各種のヒップエクステンションエクササイズは、
下肢後面における適切な筋の発火パターンの伝達に有益効果をもたらし、
その結果、ハムストリングスの挫傷防止に役立つ可能性があります。
コアの安定性を高めるトレーニング種目を適切に漸進させ、
それらを効率的な動作テクニックや効果的な筋力およびパワー向上エクササイズ
(スクワットやスクワットジャンプなど)と組み合わせることで、
傷害予防の手法とパフォーマンスを最大限に高める手法を統合することができます。
レベルの高い選手の場合は、固有感覚のコンディショニングをワークアウト前の
ウォームアップに移行させたり、あるいはそれらを高強度の筋力向上および、
プライオメトリックセッションと組合わせることで、望ましい無酸素性トレーニング効果を
促進させることも可能です。
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